ギャンブルをやめたいのに繰り返してしまう場合、単なる「意志の弱さ」として考えるのではなく、ギャンブルとの関わり方を見直すことが重要です。ギャンブル依存症では、自分でギャンブルをコントロールすることが難しくなり、健康、仕事、家族関係、借金など生活のさまざまな部分に影響が生じることがあります。
この記事では、ギャンブル依存症とはどのような状態なのか、注意したいサイン、やめられなくなる背景、回復のためにできること、本人や家族が利用できる相談先について解説します。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、ギャンブル依存症の診断を行うものではありません。心配な状態が続いている場合は、専門の医療機関や相談窓口に相談してください。
ギャンブル依存症とは?
ギャンブル依存症とは、ギャンブルによって生活に問題が生じているにもかかわらず、自分でギャンブルをコントロールすることが難しくなっている状態です。
一般に「ギャンブル依存症」と呼ばれる状態は、医療の分野では「ギャンブル障害」と呼ばれることがあります。
例えば、次のような状態がみられることがあります。
- やめたいと思っているのに繰り返してしまう
- ギャンブルに使う金額が増えている
- 生活費まで使ってしまう
- 借金をしてまで続けてしまう
- 仕事や家族関係に問題が起きてもやめられない
ただし、「ギャンブルをする人=ギャンブル依存症」というわけではありません。
重要なのは、ギャンブルをする回数や金額だけではなく、自分でコントロールできているか、生活に支障が生じているかという点です。
ギャンブル依存症で注意したいサイン
ギャンブル依存症では、ギャンブルへののめり込み、掛け金の増加、やめようとしてもやめられないこと、負けたお金を取り返そうとすることなど、いくつか特徴的な変化がみられることがあります。
一つだけで判断するのではなく、複数の問題が繰り返されていないかを振り返ってみることが大切です。
ギャンブルのことを考える時間が増える

仕事中や家族と過ごしているときでも、
「次は何に賭けよう」 「どうすれば勝てるだろう」 「賭けるためのお金をどう用意しよう」
など、ギャンブルについて考える時間が増えることがあります。
ギャンブルが生活の中心になってきている場合は、注意したい変化の一つです。
掛ける金額が増えていく

以前と同じ金額では満足できず、より大きな金額を賭けるようになることがあります。
最初は少額だったにもかかわらず、次第に掛け金が大きくなっている場合は、ギャンブルとの関わり方を見直すきっかけになります。
やめようとしても繰り返してしまう

「今日で最後にする」 「今月はもうやらない」 「次に負けたらやめる」
そう決めたにもかかわらず、再びギャンブルをしてしまうことがあります。
何度もやめようとしているのに、自分ではコントロールすることが難しいと感じる場合は、一人で解決しようとせず相談することも選択肢です。
ギャンブルをしないと落ち着かなくなる

ギャンブルをやめたり回数を減らしたりしたときに、落ち着かない、イライラするなどの変化がみられる場合があります。
「しばらくギャンブルをしないでいよう」と思っても、強い欲求によって再びギャンブルを始めてしまうこともあります。
負けたお金を取り返そうとする

「今日の負けを取り返したい」 「次なら勝てるかもしれない」
と考え、負けた後にさらにギャンブルを続けてしまうことがあります。
取り返そうとして掛け金が増え、結果として損失がさらに大きくなる場合があります。
ギャンブルについて嘘をつくようになる

ギャンブルを続けるために、家族やパートナーへ事実を隠すようになることがあります。
例えば、
- いくら使ったか隠す
- ギャンブルをしたことを隠す
- 借金について嘘をつく
- 行き先や使ったお金について嘘をつく
といった行動です。
本人より先に、家族がこうした変化に気づくこともあります。
ギャンブルのために借金をする

ギャンブルへの支出が増えると、
- 生活費を使う
- 貯金を取り崩す
- クレジットや借入れを利用する
- 家族や友人からお金を借りる
- 支払いを後回しにする
といった問題につながることがあります。
ギャンブルの問題が深刻になると、多重債務や生活困窮だけでなく、健康、家庭、仕事などにも影響が広がる可能性があります。
なぜギャンブルをやめたいのにやめられない?

ギャンブルを繰り返している人に対して、「本当にやめたいなら、やめればいい」と考えてしまうことがあるかもしれません。
しかし、依存症の問題を本人の意志や根性だけで解決することは難しい場合があります。
その背景の一つとして考えられているのが、脳の「報酬系」と呼ばれる仕組みです。
人間の脳には、楽しいことや心地よいことによって「報酬」を感じ、その行動を再び行いたくなる仕組みがあります。ギャンブルによる興奮や期待感なども、この仕組みと関係しています。
ギャンブルを繰り返すうちに、ギャンブルを連想させる情報や状況に触れただけで、強く「やりたい」と感じることがあります。
例えば、
- 競馬などのレース情報を見る
- ギャンブル関連の通知が届く
- 予想サイトを見る
- 給料が入る
- 以前ギャンブルをしていた時間になる
といったことが、再びギャンブルをするきっかけになる場合があります。
そのため、「やめたいと思っているのに、またギャンブルをしてしまう」状態を、本人の意志だけの問題として捉えないことが重要です。
ギャンブルをやめたいときにできること
やめられない背景を知ったうえで、日常生活ではギャンブルを始めるまでの入口を減らす方法があります。
ギャンブルへのアクセスを減らす
特にスマートフォンからギャンブルをしている場合は、
- ギャンブル関連アプリを削除する
- ギャンブルサイトへのアクセスを制限する
- ブックマークを削除する
- ギャンブル関連のメールや通知を停止する
- ギャンブル関連のSNSや予想情報を見ないようにする
といった方法があります。
「ギャンブルを見ても我慢する」のではなく、そもそもギャンブルに触れる機会を減らすという考え方です。
利用停止制度を確認する
競馬など一部の公営競技やサービスでは、本人や家族からの申請による利用停止制度などが設けられています。
オンライン投票を利用している場合は、利用しているサービスに利用停止や解約の仕組みがないか確認してみてください。
一人で抱え込まず相談する
「まだ病院へ行くほどではない」 「依存症かどうか分からない」
という段階でも、相談することはできます。
自分で依存症かどうかを判断してから相談する必要はありません。
「やめたいのにやめられない」「生活に影響が出てきた」と感じた段階で、周りに相談したり、相談窓口を利用しましょう。
NextMeで対象のギャンブルサイトを開けなくする

NextMeは、ブロック設定中のiPhoneで登録済みのギャンブル関連サイトを開けない状態にします。通知やブックマークを消しても検索からサイトを開いてしまう場合に、ページが表示される前に接続を強制的に止めるアプリです。
- 登録済みのギャンブル関連サイトへの接続を制限する
- ブロックを解除したとき、設定した信頼できる人へメールで知らせる
- ギャンブルから離れ続けた日数を表示する
例えば、競馬や競輪の投票サイトをスマートフォンで繰り返し開いてしまう人は、サイトへ進む入口を減らす方法として検討できます。NextMeのブロック対象で、対応ジャンルを確認できます。
記録型・相談支援型アプリとの違いは、ギャンブルをやめるアプリの種類と選び方で比較できます。
NextMeは対象サイトへの接続を制限しますが、アプリ自体の起動や対象外の通信をすべて止めるものではありません。また、ギャンブル依存症の診断・治療や借金の整理はできません。生活への影響が大きい場合は、アクセス対策とあわせて専門医療機関や相談窓口にも相談してください。
ギャンブル依存症は回復できる?

ギャンブル依存症になったからといって、「もう一生どうにもならない」というわけではありません。
適切な治療や支援を受けながら、ギャンブルをしない生活を続け、回復を目指すことができます。
ギャンブル依存症の治療では、ギャンブルに対する考え方や行動を見直し、ギャンブルをしたくなったときの対処方法などを身につけていく方法があります。
認知行動療法
治療方法の一つに認知行動療法があります。
例えば、
- ギャンブルに関する考え方を見直す
- ギャンブルをするきっかけを把握する
- ギャンブルへの欲求が出たときの対処方法を考える
- お金の使い方や生活習慣を見直す
- 再びギャンブルをしたくなったときの対応を準備する
といったことに取り組みます。
治療方法は本人の状態によって異なるため、実際の治療については専門の医療機関に相談してください。
自助グループ
同じギャンブルの問題を経験している人たちが集まり、経験を共有しながら回復を支え合う自助グループもあります。
代表的なものとして、ギャンブルの問題を抱える本人を対象とした「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)」があります。
医療機関や相談機関だけでなく、こうした自助グループにつながることも回復に向けた選択肢の一つです。
家族がギャンブル依存症かもしれない場合

ギャンブルの問題は、本人より先に家族が気づくことがあります。
例えば、
- お金の使い方が急に変わった
- 借金が発覚した
- ギャンブルについて嘘をつくようになった
- 家庭の予定よりギャンブルを優先する
- 何度「やめる」と約束しても繰り返している
といった変化です。
本人が相談を拒否しているからといって、家族が何もできないわけではありません。
本人を説得し続けることだけが対応ではなく、家族だけで相談機関につながることもできます。
また、借金が発覚した場合、家族だけで問題を抱え込み、すぐに肩代わりするのではなく、依存症と借金の両方について専門家に相談することも大切です。
ギャンブル依存症はどこに相談すればいい?
ギャンブルの問題については、本人だけでなく家族が相談できる場所もあります。
精神保健福祉センター・保健所
地域の精神保健福祉センターや保健所では、ギャンブル等依存症を含む依存症について相談できます。
本人だけでなく、家族から相談できる場合もあります。
依存症の専門医療機関
ギャンブル依存症の治療に対応している医療機関もあります。
ギャンブルをやめることが難しい、生活への影響が大きい、精神的な不調もあるといった場合は、専門医療機関への相談を検討してください。
自助グループ
ギャンブルの問題を経験している本人同士で回復を支え合う「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)」などの自助グループがあります。
家族を対象とした支援や自助グループもあります。
借金がある場合の相談先
ギャンブルによる借金の返済が難しくなっている場合は、依存症の相談とは別に、
- 消費生活センター
- 法テラス
- 弁護士会
- 司法書士会
- 多重債務相談窓口
など、借金について相談できる窓口につながることも重要です。
まとめ|ギャンブル依存症は意志だけの問題ではない
ギャンブル依存症では、
- ギャンブルのことばかり考える
- 掛ける金額が増える
- やめようとしてもやめられない
- ギャンブルをしないと落ち着かない
- 負けたお金を取り返そうとする
- ギャンブルについて嘘をつく
- 生活費を使ったり借金をしたりする
- 仕事や家族関係などに影響が出る
といった問題がみられる場合があります。
ギャンブル依存症は、単純な性格や意志の弱さだけで生じるものではありません。適切な治療や支援を受けながら、回復を目指すことができます。
「やめたいのにやめられない」と感じているのであれば、一人ですべてを解決しようとせず、専門機関への相談、NextMeなどによる対象サイトへのアクセス制限、お金の環境の見直し、利用停止制度、自助グループなど複数の方法を組み合わせることが重要です。
参考文献・参考情報
本記事は、2026年9月3日時点で以下の公的機関・専門医療機関の公開情報を参考に作成しています。
- 依存症対策全国センター「ギャンブル依存症ってどんな病気?」
- 消費者庁「ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ」
- 独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター「ギャンブル依存」
- 福岡県立精神医療センター 太宰府病院「ギャンブル依存症」
医療情報、制度、相談窓口などは変更される場合があります。実際に相談・受診する際は、各機関の最新情報を確認してください。


